相続問題を考える

相続のトラブルを回避ベスト8

1.相続放棄

財産放棄

相続時、財産よりも負債(借金)が多い事が明らかに解っていれば相続放棄をすれば良いのですが、きちんとした手続きを踏まないと後々大変な事になります。

例えば、親族が亡くなった事を知らずにある日、突然債権者からの請求を受けたことで相続の発生を知ったが、自分は放棄するとだけ言って放置していたとこ ろ、数ヶ月経ってから同じ債権者から相続人として請求が来ることもあります。

債権者に対して相続放棄を主張するには、相続が開始になった事を知った時又は債務があることを知った時から3ヶ月以内に被相続人が亡くなった時の住所地の 家庭裁判所に相続の放棄の申述をしなければならないのです。逆に3ヶ月経過した時点で相続した事とみなされ被相続人に代わって借金の返済をすることになって しまいます。


2.相続財産に借金があるか解らない場合は限定承認

限定承認

これはレアなケースですが、借金が無いと思って相続を受けた後に債権者から請求されるケースです。

この場合、被相続人の借金がないと思っていたことが相続をした理由なので、債権者から借金があることを聞いた日から3ヶ月以内であれば相続放棄が 出来ますが、既に相続した財産を使っていた場合はその分を戻すこととなるでしょう。

この様に借金があるかどうかわからない、借金が財産を上回るのかも知れないと不安がある場は家庭裁判所に相続人全員の承諾の元、限定承認の申立て をするべきでしょう限定承認は、2か月以上の期間を定めて公告を行い債権者や債権額の確定をしてもらうことにより後から請求を受ける心配が無いのです。


3.調停の際の管轄

裁判所

話し合いで相続問題の解決がつかない場合は家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをすることとなります。

ここで厄介なのが申立てをする側の住所地管轄の裁判所ではなく、相手側の住所地管轄の裁判所に申し立てることになるので、相手が遠方だった場合は厄介です。

都心に出て来た方の実家が遠方で親が亡くなって相続になった場合、上記の様な事が起こり弁護士に委任する場合は出張費だけでもばかにならないのです。

そのため費用対効果で少し条件が悪くても話し合いで解決することも多いようです。


4.共有物分割

共有物分割

遺産分割で問題になるのが不動産です。

例えば兄弟三人の親が亡くなって相続が発生した時に遺産が不動産のみの場合単純に3人で分けると1/3づつの持分を登記すれば良いのですが、 不動産の持分を持っていてもしょうがないと思う人や、売却して現金に換えたいと思う人、親から受け継いだ土地だから守りたいと言う人など様々です。

土地だけであれば分筆して個々の所有にすることも可能ですが、道路への接地面積や日当たりなどの不公平や、測量や登録免許税などの費用がかかります。

また、建物が建っていると分筆という訳にはいかないので、最後まで話し合いがつかない場合は競売によって売却後清算となります。


5.遺言と遺留分

遺言書

相続の際、公正証書や本人が書いたと思われる遺言があればその内容が優先されます。

そうなると本来相続人であった人が全く財産を相続出来ないかと言うとそうでもありません。残された家族への最低限の財産を 保証する意味で法律では遺留分が認められています。

相続人の立場によって割合は変わりますが全く遺言があるからと言って相続できない事はないのです。

ではどの様に請求すれば良いのかと言うと、遺留分は侵害されたうえで遺留分減殺請求を主張、申立てをするのですが、相続の 開始や遺贈を知った時から1年以内に申し立てないと消滅時効にかかりその権利を失ってしまいます。


6.預貯金や現金

現金・預貯金

相続の際良くあることですが、一緒に住んでいた兄弟親の面倒を見ていたため、預金、現金の管理も任せているケースです。

現金は無かったと言われてしまえば証拠が無い限り立証できないので諦めるしかないのですが、親が亡くなって相続が発生した後、預金から勝手に お金を下ろすと言う事が良くあります。本来、銀行等に死亡した事を告げ口座を凍結してもらうべきところ、同居していた者が勝手に下ろす事があります。

これは違法行為ですし、他の相続人から請求を受ければ戻さすことになります。


7.相続人なのに相続できない

虐待 これもレアなケースですが、被相続人に対して重大な虐待や侮辱的行為があったり、著しい非行があったときには、遺言書においてその相続人を廃除する 意思を書くことができ、被相続人が亡くなるまえであれば家庭裁判所にその推定相続人の廃除の請求をすることができます。

廃除の手続きが無くても生前金銭面で迷惑をかけ既に多額の借金の代払いをしてもらっていた場合なども生前贈与とみなされ、相続財産から相殺される 事もあります。


8.相続欠格

殺人 また、自分より優先順位の相続人や被相続人に対して故意に殺害して自分が優位になろうとしたり、殺害された事を告発しなかった場合や、無理やり脅して 遺言書を書かせたり、以前作成した遺言を変更させたりすること。

または遺言書を隠ぺいしたり破棄、改ざんするなどの不正を働いたものは相続人の資格を失います。しかし、欠格になった相続人に子供がいる場合は 代襲相続が出来ます。

実際にあった事案を検証しながら相続問題を考える

将来において確実に相続に至る場合、できるだけ話し合いで事を納めるためには、知識も必要です。 まずは、自分自身の環境を考えて相続に至った時にどうすべきなのかをよくよく考えてみましょう。

相続財産は何があるのか、動産・不動産、預貯金等、実際に相続問題が起きる前にシュミレーションを しておくのも良いでしょう。

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